何時の頃からそうであったのか、どうしてそうなのか疑問もわかない。
世界は果てあるもの。孤高世界「エデン」の人々にとってそれは常識だった。
そして、マナと呼ばれる精霊、その力である源素。それらを使い、何もないところに
ものを創り出すことができる錬金術という技術を用い、平和で豊かな生活を送っていた。

そのエデンで唯一の街「ノイアール」。そこで錬金術を学ぶ少年と少女がいた。
少年の名前はフェルト、少女の名前はヴィーゼ。
孤児であった二人は幼い頃から共に育てられてきた仲だった。

ヴィーゼがフェルトに先んじて正式な錬金術士と認められた日。
二人は仲よく木のマナとの契約のため「ドゥルの大樹」と呼ばれる地へ足を運ぶ。
その途中、突然の地震に襲われる二人。
彼らはその先で信じられない光景を目の当たりにした。
目的地である「ドゥルの大樹」が大地ごと崩れ、消え去っていたのだ。

事態の報告のためエデン枢機院に向かおうとする二人。
森の中、フェルトは不思議な声を聞く。

我が声に応えしものよ
永遠の誓いをもって、祖なるマナを守り抜く責務を背負う覚悟はあるか?

誘われるまま、赤く光る不思議な剣に手をかけ、それを手にするフェルト。
その剣こそ「深蒼のアゾット」と呼ばれる古代錬金技術の粋を集めて作られた聖剣だった。

二人がたどり着いたエデン枢機院。
そこで目にしたものは、かつてない混乱と殺伐とした雰囲気であった。
先ほどの地震のため、エデンのおよそ半分が崩壊、喪失してしまったのである。
エデンという世界の危機ー
対応に追われた枢機院は、その場にいた正錬金術士ヴィーゼに周囲の調査を依頼する。
フェルトとともに「ベルクハイデの門」と呼ばれる古代からの封印にたどり着いたヴィーゼ。

決して開くことのなかった封印門が、そのとき、二人を逃れ得ぬ運命という奔流へ
誘うため、ゆっくりとその重い口を開くのだった。