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◇エタマナ2開発前夜◇

皆さま、お待たせいたしました!本当、またまた申し訳ない!

不定期極まりない、この「エタマナ2開発日誌」(というか後記)ですが、前回はイリスの「DC版」が仕上がったところまででしたので、今回はその後。エタマナ2のプロジェクトが立ち上がったあたりから、お話を再開いたしましょう。

イリスが発売されてから2ヶ月ほど経過したある日、経営陣から正式に新プロジェクト進行の話が上がり、いよいよ『次期に向けて何を創るべきか』、本格的に考えることになりました。ガストの企画立案方法はプロジェクトによって様々ですが、今回はアイディアを持ち寄って会議を行うという手法を採りました。みんなで企画書なり資料なりを持ち寄って、会議室にこもって「あ〜でもない、こうでもない」と話をしていくわけです。

ガストでは、グラフィック担当がゲーム内容を考えたり、サウンド担当がジャケットやレーベルのデザインをしたり、各々の役割を無視して作業をすることが多々あります(他のゲーム会社さんでは、このように入り混じって作業するということは、あまりないそうで…。これも総勢15人ほどという小回りの利くガストならではの手法みたいです)。

今回の企画会議も、各々が考えたアイディアを持ち寄って行われたわけですが、本当に様々な案が出ました。プロジェクターを使って各々の企画をプレゼンテーションし、全員で吟味する─というように何回か会議を繰り返して、最終的に2本ほどに。その中に現在のエタマナ2の原型があったというわけです。

システム説明に「2つの世界。2人の錬金術士。平行に物語を進めていくデュアルシナリオ!」「テンポなどによる“速度爽快感”とありえないダメージを与える“炸裂爽快感”を追求したACTB!」など、現在のエタマナ2そのものが、そこに描かれていました。そして最終的に投票が行われ、この企画書をベースに「エターナル マナ2」プロジェクト開始となっていったのです。

その時の資料を、いま改めて手元で見ていたりするのですが、今回採用されなかった中にも「ああ、これ、面白いな〜」と思えるようなものがあったりするわけで…。もしかしたら、次の作品の礎になるかもしれません。いやはや。

ということで、この決定を期に怒涛の開発進行に突入していく「エターナル マナ2」プロジェクト。このあと様々な事態が待ち受けているわけですが…それは、また次回以降、お話していきましょう。

(イリス2ディレクター:増田)




エタマナ2の初期企画書たち。この中からエタマナ2が生まれたのです


◇再開いたします!◇

まず最初に…
申しわけありませんでした!

エタマナ2開発で一気に駆け抜けた数ヶ月間。気がついたら春、気がついたら花粉症、気がついたら31歳になっておりました。この開発日誌を期待されていた皆さん、本当にごめんなさい!これから発売までの一ヶ月、心機一転、あんな情報やこんな情報をお届けしていこうと思いますので、よろしく、お願いいたします!


その「イリスのアトリエ エターナルマナ2」ですが、実はこのドタバタの中で、無事マスターアップが完了してしまっています。製品を発売日に皆さんの手にお届けできるのは、たいへん喜ばしいことなのですが、開発完了してしまっている以上、開発日誌とは微妙にいかないのが頭が痛いところで…(トホホ)。

ということで、これから発売までは、イリス2の開発を振り返りながら、イリス2の開発過程をゲーム内容を含めツラツラとお届けしていこうかと思っています。もしかしたらネタバレすれすれの危険度高の内容になってしまうかもしれませんが…よろしかったら、お付き合いのほど、よろしく、お願いいたします。

まず今回の「エターナルマナ2」の開発の前、昨年の7月頃。
前作「イリスのアトリエ エターナルマナ」北米版プロジェクトから、お話は始まります。

皆さん、ご存知かもしれませんが、現在、多くのメーカーが海外販売をメインとした商品戦略を立てています。
雪だるま式に大きくなっていくゲーム開発資金を国内販売だけではまかなえないという理由から「海外でも無難に発売できるゲーム」が主力商品となっているのです(3Dメインで、どうみても洋ゲーっぽいゲームテイスト、キャラクターの日本産ゲームが多く発売されている原因の一つは、ここにあります)。

そんな中でガストは2Dドット絵、しかも海外では受けにくいと言われ続けるRPGorSLG。
まるで職人、ドイツのマイスターがごとく、言葉で言うなら「べらんめえ、ウチは日本人の心のゲームを創り続けているんじゃい!」といった感じで、海外など、どこ吹く風といった状態でしたが、どうやら海外市場のほうが昨今の日本アニメ&漫画ブームで、日本テイストのゲームに興味を持ち始めたようです。

ということで、正直全く想定していなかった、北米版プロジェクトですが、販売後にイリスを見直す絶好の機会となりました。海外版作製の前に、ユーザーの皆さんからいただいた意見を元に、特にバトル速度やエンカウント、GUTSなどの敵のスキル連発、逃走ほぼ能、お店の販売品の売り切れ、などなど、ここぞとばかりに軒並み修正し、クレインが目にも止まらぬ速さでプニをぶっ叩く「DC版」と呼ばれるバージョンが生まれたのです。

海外販売のためには、ここから翻訳をするなど、まだまだ長い道のりがあるのですが、少なくとも、この「DC版」で見直された速度やバランスが、現在の「エターナルマナ2」の基本となっています。
ということで「DC版」の完成から、本格的に次のプロジェクトが始まっていくのですが…それは、また次の機会にお話していきましょう。

(イリス2ディレクター:増田)



なんかカッコいい「イリスのアトリエ」の北米版パッケージ
(※製作途中のものです)



◇お久しぶりです!もしくは、初めまして!◇

こんにちは!みなさんお元気ですか!

イリスの開発日誌「日々平穏」に引き続いて登場させてもらうことになりました、イリス2ディレクターの増田です。
諸事情ありまして、最初から登場できず申しわけありませんでした!これからはイリス2の開発舞台裏含めてガストの様子を皆さんにお伝えしていきますのでよろしく、お願いいたします。
現在のガストは…かなり開発の佳境に入っています。
プレイ→調整、プレイ→調整の期間に入っているのですが、ここで劇的にゲームのテイストが変わってしまったりするので、かなりの考えながら行わないといけません。
ただ、少しづつであったり大きくであったりの程度の差はありますが、毎日変化していくゲーム内容を見ていくのは楽しい作業です。どこまで理想に近づけられるのか、それ以上にいけるのか、ここが勝負時となります。

製品の情報も、徐々に公開されていく(次の更新は今週末?)ので、ご注目いただけたらと思います!

では!
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